2026年1月配信のWindows更新プログラム(KB5074109)適用後、Outlook Classic(従来のOutlook)+POPアカウント環境で「フリーズ」「起動不能」「outlook.exeが残り続ける」などの重大障害が多数報告されています。
✅ この記事の結論(先に要点)
- 最優先の恒久対策:PSTをOneDrive配下からローカル(C:など)へ移動
- 暫定回避:Outlook Web(https://outlook.office.com)を使う
- 最終手段:KB5074109のアンインストール(セキュリティ面のリスクあり)
- 企業推奨:KB5074109の配布停止(Intune/WSUS)+PST同期禁止ポリシー(.pst除外)
🧨 1. 障害の内容(Outlook Classic・POPアカウント)
KB5074109 以降、特にOutlook Classic+POPアカウント利用者で次の問題が多発しています。
- Outlook Classic がフリーズする
- 起動しても5〜10分で応答なしになる
- アプリを閉じてもoutlook.exe がバックグラウンドに残存し、再起動できない
- OneDrive 上の PSTを扱っている場合、再現率が極めて高い
現場あるある:「Outlook閉じたのに開けない」→ タスクマネージャーで見ると outlook.exe が“ゾンビ状態”で残っている、が典型パターンです。
さらに副作用として、以下の症状も確認されています。
- 送信済みアイテムに保存されない(送信できているのに記録が残らない)
- 再起動のたびにメールが再ダウンロードされる
- 複数の outlook.exe が残ってCPUを消費する
🧩 2. 原因:OneDrive の PST ロック(ファイル排他制御の変更)
Microsoftの説明では、KB5074109の内部変更によりファイルロック(排他制御)の扱いが変わったことが原因とされています。
✦ 原因の流れ(わかりやすく)
- Outlook Classic は、PSTを読み書きし続けるアプリ
- OneDriveも同期の都合で、対象ファイルに対してロック処理が入る
- KB5074109以降、Windows側のロック処理が変わり、
- OneDriveがPSTをロック → Outlookがロック解除を待ち続ける
- 解除されず無限待機 → フリーズ / 起動不能へ
- Outlookを閉じてもロックが解放されず、outlook.exeが残留
ポイント:PSTは「ローカルで単独利用」を前提に設計された古い形式です。クラウド同期(差分・バージョン管理・ロック)と相性が悪く、今回の更新で“表面化”した形です。
🛠 3. 対処法(安全で確実な順)
✅ 最も効果的:PST を OneDrive からローカルへ移動(Microsoft推奨)
これが最優先の恒久対策です。OneDrive同期のロック問題が直撃しているため、PSTをOneDrive配下から外すのが一番確実です。
● 手順(簡易版)
- Outlook を終了
- タスクマネージャーで outlook.exe をすべて終了
- OneDrive フォルダ内のPST(例:
...\OneDrive\Documents\Outlook Files\xxxx.pst)を - ローカル(例:
C:\OutlookPST\)へ移動 - Outlook を起動し、PST の場所を再指定
企業利用の推奨:OneDriveの構成で「PST同期禁止(.pst除外)」ポリシーを入れると再発防止になります(後述)。
🕸 Web 版 Outlook を使う(暫定回避)
デスクトップOutlookを使わず、https://outlook.office.com を利用すると回避できます。
POPユーザーでも「受信メールの確認」程度なら助かる場面がありますが、PST運用そのものを置き換えるものではないため恒久対策は別途必要です。
❌ KB5074109 をアンインストール(最終手段)
動作が元に戻るケースが多い一方、セキュリティ修正(100件以上)も戻ってしまうため注意が必要です。運用・規程次第では選びにくい手段です。
● アンインストール手順
- 設定 → Windows Update
- 更新の履歴 → 更新プログラムのアンインストール
- KB5074109 を選択して削除
- 再起動
注意:企業(Intune / WSUS)環境では「個別アンインストール」だけでなく、配布停止・一時保留も併用しないと再適用される可能性があります。
🔧 4. 追加でできる軽減策
- OneDrive の同期対象から PST を除外(PSTをクラウド同期しない)
- Outlook のプロファイル再作成(起動不能の解消に役立つ場合あり/根本解決ではない)
🧪 5. 企業(組織)環境での推奨対策
社内SE・情シス視点で、組織としての“止血”と“再発防止”をまとめます。
✔ 1) KB5074109 の配布停止(Intune / WSUS)
全端末が一気に壊れると問い合わせが爆発します。まず配布を止めるのが現実的です(すでに適用済み端末は順次対処)。
✔ 2) PST 同期禁止ポリシー(OneDrive 管理テンプレート)
OneDriveの構成で、特定拡張子のアップロードを禁止できます。代表例:
PreventUploadOfSpecificFileTypes: pst
※正確な設定方法は、利用している管理方式(Intune / GPO / 管理テンプレート)で表記が多少変わります。
✔ 3) POP運用の見直し(Exchange / IMAPへ)
POP+PST+クラウド同期は構造的にトラブルが出やすい組み合わせです。業務メールとしては、可能なら Exchange(Microsoft 365)やIMAPへ移行を検討するのが安全です。
🧭 6. 結論(要点まとめ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原因 | KB5074109 によるファイルロック処理の変更が OneDrive と衝突し、PST をロックし続ける → Outlook が待ち続けてハング |
| 影響 | フリーズ/起動不能/送信済み保存されない/再DL/outlook.exe残留 など |
| 最も安全な対処 | PSTをOneDrive配下から外し、ローカルへ移動(恒久対策) |
| 暫定回避 | Outlook Web(https://outlook.office.com) |
| 強制的な解決 | KB5074109 アンインストール(ただしセキュリティリスク大) |
| 企業対応 | 配布停止(Intune/WSUS)/PST同期禁止ポリシー/POP運用の見直し |
✅ 最後に(おすすめ運用)
- PSTはOneDrive配下に置かない(同期しない)
- バックアップは「同期」ではなく、定期コピーで確保
- 可能なら POP運用を縮小し、Exchange / IMAPへ移行
参考: Microsoftサポート(既知の問題) / WinBuzzer / BleepingComputer / Windows Central
