はじめに
Windows Updateのあと、突然ネットワークプリンターが使えなくなる—— このトラブルは Windows 10 / 11 共通で非常に多く、2024〜2025年の大型更新以降さらに増加しています。
原因は ドライバーの互換性・プリントスプーラー・ネットワーク設定・WSDポート など多岐にわたり、 社内SE・一般ユーザーどちらにとっても厄介な不具合です。
この記事では、現場で実際に解決率の高かった方法を、最新情報とあわせて分かりやすくまとめました。
よくある症状
- プリンターが「オフライン」になる
- ネットワークプリンターが一覧から消える
- 0x00000709、0x00000002 などの接続エラー
- Pingは通るのに印刷できない
- 共有プリンターが「アクセス拒否」になる
原因①:ドライバー互換性の問題
Windows Update後に、古いプリンタードライバーが署名要件の強化でブロックされることがあります。
よくあるパターン
- 大型更新で非推奨ドライバーが無効化される
- WSDドライバーが正常に動作しない
- メーカーが提供する最新ドライバーが未対応
対処法
① プリンターを削除
② メーカー公式サイトから最新ドライバーを再インストール
特に、RICOH / EPSON / Brother / Canon などは、Windows 11 専用ドライバーの利用が必須の場合があります。
原因②:Print Spooler(印刷スプーラー)の停止
Windows Update直後に「Print Spooler」がハング → 印刷キューが詰まり、プリンターが認識されなくなるケース。
対処法(管理者コマンド)
net stop spooler
del /q /f %systemroot%\System32\spool\PRINTERS\*.*
net start spooler
→ もっとも効果が高い対処法のひとつ。
原因③:ネットワーク設定が変更される(特に頻発)
Windows Updateでネットワークプロファイルが勝手に「パブリック」へ変更されることがあります。
症状
- ネットワーク探索がオフになる
- ファイル・プリンター共有がオフになる
- 共有プリンターに接続不能
対処法
設定 → ネットワークとインターネット →
プロパティ → ネットワークプロファイル →
【プライベート】に変更
設定 → 共有の詳細設定 →
・ネットワーク探索 → ON
・ファイルとプリンターの共有 → ON
原因④:WSDポートの不安定さ(Windows 11で多発)
WSD(Web Services for Devices)はWindowsが自動で追加するポートですが、更新後に不安定化しやすいです。
対処法:TCP/IP固定ポートへ変更
コントロールパネル →
デバイスとプリンター →
プリンター右クリック → プリンターのプロパティ →
ポート → 標準TCP/IPポートに変更
その前提として重要
- プリンターに固定IPアドレスを設定
- DHCP予約でIPを固定しておく
原因⑤:SMB1.0が無効化されている(古いプリンターのみ)
一部の旧機種はSMB1.0で共有されており、Windows Updateで無効化されると接続不能になります。
対処法(古い機種限定)
コントロールパネル →
Windowsの機能の有効化 →
「SMB 1.0/CIFS」を有効化
※セキュリティリスクが高いため、可能なら機種更新を推奨
原因⑥:ファイアウォールがブロックしている
チェック内容
- ネットワーク探索
- WS-Discovery
- RPC通信
対処法
設定 → プライバシーとセキュリティ →
Windows セキュリティ →
ファイアウォール → 一時的に無効
改善したら → 共有ルールのみ ON に戻す。
原因⑦:アップデートによるプリンター情報の破損
Windows Update後にプリンターのレジストリ情報が壊れ、認識しないことがあります。
対処法
① プリンター削除
② 再起動
③ 再追加
【まとめ】効果の高い対処法ベスト5
- 公式ドライバーの完全再インストール
- Print Spooler のリセット
- ネットワークプロファイルを「プライベート」に戻す
- 固定IP + TCP/IPポートに変更
- プリンターの削除 → 再追加
社内SEの現場でも、この5つで約80〜90%のトラブルが解消できます。
最終手段
- 問題のある更新プログラムをアンインストール
- システムの復元で更新前に戻す
- Windows Updateブロック(業務PCの場合)
どうしても改善しない場合は、このステップで安定化します。
























コメントを残す