はじめに
Windows 11 25H2では、「ネットワークが不安定」という表現の裏に、
DNS解決の遅延 / IPの再取得 / Wi-Fi帯域の自動切替 / 省電力制御といった
かなり具体的な設定問題が隠れています。
この記事では「なぜ起きるか」よりも、
実際に安定した人がやっている設定を中心に解説します。
① DNSが不安定(最優先で直すべき)
25H2ではDNSの応答遅延が体感速度に大きく影響します。
特にルーターDNS任せの環境では、ページが開かない/一瞬止まる症状が出やすいです。
おすすめDNS(安定重視)
- Google DNS:8.8.8.8 / 8.8.4.4
- Cloudflare DNS:1.1.1.1 / 1.0.0.1
設定方法(Windows)
設定 → ネットワークとインターネット → Wi-Fi(または Ethernet) → ハードウェアのプロパティ → DNS
- DNS設定:手動
- IPv4:ON
- 優先DNS:8.8.8.8
- 代替DNS:8.8.4.4
これだけで「不安定」「遅い」体感が激減するケースが非常に多いです。
② IPアドレスを固定しないと不安定になる
DHCP(自動取得)のままだと、25H2ではスリープ復帰時や再接続時にIP再取得が発生し、
一瞬ネットワークが切れたような挙動になります。
固定IPを推奨する理由
- NAS・プリンタとの通信が安定
- 再接続時にネットワークが止まらない
- 社内・家庭LANともにトラブル激減
固定IPの例(家庭LAN)
IPアドレス:192.168.1.50 サブネット:255.255.255.0 ゲートウェイ:192.168.1.1 DNS:8.8.8.8
※ルーター側でDHCP予約にするのがベスト
③ Wi-Fiは「自動」ではなく5GHz(A)に固定する
25H2ではWi-Fiの帯域自動切替(2.4G⇔5G)が頻発し、
これが「急に遅い」「切れたように感じる」原因になります。
基礎知識
- 2.4GHz(B/G/N):遠くまで届くが混雑・遅い
- 5GHz(A/N/AC/AX):速い・安定・干渉少ない
推奨設定
- SSIDを 2.4GHz / 5GHz で分ける
- PCは5GHz(A)専用SSIDに接続
NIC側の強制設定(重要)
デバイスマネージャー → Wi-Fiアダプタ → 詳細設定
- Preferred Band:5GHz
- Wireless Mode:802.11a/ac/ax
- Roaming Aggressiveness:Low
これで勝手な切替・瞬断がほぼ消えます。
④ IPv6(IPoE)が逆に不安定なケース
25H2ではIPv6が優先されますが、
ルーターやプロバイダによってはIPv6が不安定なことがあります。
切り分け方法
- IPv6を一時的にOFF
- IPv4のみで安定するか確認
Windows側設定
ネットワークアダプタ → プロパティ →
- 「インターネットプロトコル バージョン6」のチェックを外す
IPv6を切って安定するなら、ルーター側が原因です。
⑤ ネットワークアダプタの省電力を完全に殺す
25H2では省電力制御がかなり強化されており、
通信中でもNICがスリープします。
必須設定
デバイスマネージャー → ネットワークアダプタ → 電源管理
- 「電力節約のためにオフにする」チェックを外す
詳細設定(Intel系)
- Energy Efficient Ethernet:OFF
- Green Ethernet:OFF
- U-APSD:OFF
⑥ NAS・社内サーバーが不安定な場合
名前解決や探索に頼ると25H2では不安定です。
安定運用の鉄則
- NASは固定IP
- アクセスはIP直打ち
\\192.168.1.10
これだけで「見えない・切れる」問題はほぼ消えます。
⑦ 最終チェックリスト(これで安定)
- DNSをGoogle / Cloudflareに変更したか
- IPは固定 or DHCP予約か
- Wi-Fiは5GHz(A)固定か
- IPv6が悪さしていないか
- NIC省電力をOFFにしたか
まとめ
Windows 11 25H2のネットワーク不安定は、
OSの問題ではなく「設定が自動すぎる」ことが原因です。
DNS・IP・Wi-Fi帯域・省電力を手動で決め打ちすれば、
25H2はむしろ安定します。
不安定な人ほど「自動」のまま使っていることが多いため、
この記事の設定を順に適用してみてください。


























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