はじめに
ある日突然、Teams・OneDrive・Outlook がまとめておかしくなることがあります。
・サインインできない
・起動してもすぐ落ちる
・同期が止まる
・認証画面がループする
これらはアプリ個別の不具合ではなく、Microsoftアカウント認証まわりの共通トラブルであるケースがほとんどです。
本記事では、Windows 11(特に25H2)で多発している事例をもとに、一気に直すための共通対処手順をまとめます。
① よくある症状(1つでも当てはまれば対象)
- Teams が「サインイン中」のまま進まない
- Outlook が資格情報を何度も聞いてくる
- OneDrive が「同期できません」で止まる
- サインインできた直後にまたログイン画面に戻る
- 職場アカウントと個人アカウントが混ざったような挙動
これらが同時期に発生しているなら、原因はほぼ共通です。
② 原因の正体:Microsoft認証(AAD / MSAL)の破損
Teams / OneDrive / Outlook はすべて、共通の認証基盤(MSAL / Entra ID)を使っています。
そのため、以下のようなきっかけで認証キャッシュが壊れると、全アプリが連鎖的におかしくなります。
よくあるトリガー
- Windows 11 25H2 へのアップデート
- 職場アカウントと個人Microsoftアカウントの併用
- パスワード変更・MFA設定変更
- VPN接続の切断・切替
- スリープ復帰の繰り返し
③ まずやるべき「共通初期化」手順(最重要)
① Microsoftアプリをすべて終了
Teams / Outlook / OneDrive を完全に終了させます。
タスクマネージャーで残っていないか必ず確認してください。
② 資格情報マネージャーを整理
認証ループの最大原因がここです。
コントロールパネル → 資格情報マネージャー → Windows資格情報
削除対象(重要)
- MicrosoftOffice16_Data:ADAL
- MicrosoftOffice16_Data:SSPI
- OneDrive Cached Credential
- msteams / office / outlook 関連
※ 削除してもデータが消えることはありません
③ 職場・学校アカウントを一度切断
設定 → アカウント → 職場または学校にアクセス
- 該当アカウントを選択
- 「切断」
これで認証状態を一度リセットします。
④ アプリ別キャッシュ削除(ここが効く)
■ Teams(新旧どちらも)
以下のフォルダを削除します。
%AppData%\Microsoft\Teams %LocalAppData%\Packages\MSTeams_*
削除後、PCを再起動。
■ OneDrive
OneDrive を一度リセットします。
%localappdata%\Microsoft\OneDrive\OneDrive.exe /reset
数分後に自動で再起動しない場合は、手動で起動してください。
■ Outlook
Outlook はプロファイル破損が原因のことも多いです。
切り分け方法
- コントロールパネル → メール
- 「プロファイルの表示」
- 新しいプロファイルを作成
新プロファイルで正常なら、旧プロファイルが原因です。
⑤ 再サインインの正しい順番(重要)
再ログインの順番を間違えると、また壊れます。
推奨手順
- Windowsにサインイン
- 設定 → 職場または学校アカウント → 再接続
- OneDrive にサインイン
- Outlook にサインイン
- 最後に Teams
Teamsを一番最後にするのがポイントです。
⑥ それでも直らない場合の追加対処
① VPN・セキュリティソフトを一時停止
VPNが認証通信をブロックしているケースがあります。
② DNSをGoogleに変更
8.8.8.8 8.8.4.4
DNS解決の遅延が認証失敗を引き起こすことがあります。
③ Windowsの時刻同期を確認
時刻ズレはMFA認証失敗の原因になります。
設定 → 時刻と言語 → 日付と時刻 → 自動設定 ON
⑦ 職場PCで注意すべきポイント
- 個人Microsoftアカウントを混在させない
- Edgeに個人アカウントでサインインしない
- 会社管理PCでは管理者に相談
まとめ
Teams / OneDrive / Outlook が同時におかしくなった場合、
個別に直そうとすると泥沼になります。
重要なのは、認証・資格情報・キャッシュを一度まとめてリセットすることです。
この記事の手順を上から順に実行すれば、ほとんどの環境で復旧します。




























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