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🆘 はじめに
ChatGPTやCopilotなどの生成AIは、文章作成や資料まとめ、アイデア出しにとても便利です。
しかし、入力内容は原則としてAI提供元のサーバーに送信されるため、情報の取り扱いには注意が必要です。
「ちょっとしたメモだから大丈夫」
そう思って入力した内容が、機密情報の漏洩につながることもあります。
🚫 ChatGPTに入力してはいけない情報
1. 個人情報
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- マイナンバー
- 生年月日
💡 個人を特定できる情報は、外部に流出すると悪用される危険があります。
2. 顧客・取引先情報
- 顧客名や企業名
- 契約内容や見積もり金額
- 商談メモや会議内容
💡 営業機密や契約情報は、守秘義務の対象になることが多く、入力は厳禁です。
3. 機密性の高い社内情報
- 開発中の製品仕様
- 社内システムの設計図
- 未発表のプロジェクト計画
💡 万が一外部に漏れると、競合優位性が失われるリスクがあります。
4. パスワードやセキュリティ情報
- システムのログインID/パスワード
- APIキー
- 暗号鍵
💡 入力後にAIが生成物として返す可能性は低くても、保存・解析過程で危険が残ります。
5. 法的保護が必要な情報
- 弁護士とのやり取り
- 訴訟資料
- 医療・健康情報
💡 法的秘匿特権や個人情報保護法に違反する可能性があります。
📌 なぜ危険なのか?
- クラウド経由で処理されるため、インターネットを通じて送信される
- 一部AIサービスは入力データを学習や改善に利用する可能性がある
- 企業によっては、入力内容を監査ログとして保存する場合がある
✅ 安全に使うためのポイント
- 匿名化する
- 名前や会社名を「A社」「Xさん」に置き換える
- 概要化する
- 機密部分を削除し、構造やパターンだけを入力
- 利用規約を確認する
- データ保存期間や利用目的を事前に確認
- 法人向けプランの活用
- Microsoft Copilot for Microsoft 365など、入力内容が学習に使われない環境を選択
📊 個人利用 vs 法人利用の注意点比較
項目 | 個人利用 | 法人利用 |
---|---|---|
入力内容の保存 | サービスによっては学習利用される | 法人契約では無効化できる場合あり |
情報漏洩リスク | 高い(自己責任) | 契約次第で低減 |
利用規約の遵守 | ユーザーが自分で確認 | 情報システム部門が管理 |
ChatGPTに個人情報を入れてしまった時の対処法
1️⃣ まずやるべきこと(即時対応)
- 入力内容の確認
- 何を入力してしまったか(氏名・住所・パスワード・顧客情報など)
- 機密性の高さを判断する(個人情報保護法や契約違反の可能性)
- パスワードやキーの変更
- ログインID/パスワード
- APIキー
- 暗号鍵
- 可能なら即時無効化
- 関係者への報告
- 会社利用なら情報システム部門・上長へすぐ報告
- 個人なら、被害が及ぶ可能性のある相手(取引先など)に事前に連絡
2️⃣ OpenAIアカウント側での対応
ChatGPTの場合、入力した会話は アカウント履歴に保存されている可能性があります。
消すことで、少なくとも今後のサポートアクセスやモデル改善に使われなくなります。
🔹 会話履歴を削除する方法
- ChatGPTの画面左下 「…」 → 設定(Settings)」
- 「データ管理(Data Controls)」を開く
- 「会話履歴を削除(Delete all chats)」 を選択
※個別削除も可能
3️⃣ モデル学習からの除外を申請(必要に応じて)
OpenAIの無料・個人版では、入力内容が将来のモデル改善に利用される場合があります。
削除依頼フォームからサポートチームに申請することで、学習データから除外される可能性があります。
- OpenAI Help Center → 「Submit a request」から問い合わせ
- 具体的に「〇月〇日に入力した内容を削除してほしい」と記載
💡 **法人契約(ChatGPT EnterpriseやMicrosoft Copilot for Microsoft 365)**では、そもそも学習利用されない設計になっています。
4️⃣ 法的・セキュリティ対応
- 個人情報保護法や契約で守秘義務がある場合は、社内規程に沿った報告書提出
- 被害が予想される場合は、情報漏えい事故対応フローに従い、外部への報告や公表が必要になるケースあり
- 高度な機密情報や漏えい時の損害が大きい場合は、弁護士への相談も検討
5️⃣ 再発防止策
- 入力前チェックリストの導入
- 「個人名はないか?」「顧客情報は含まれていないか?」を確認
- 匿名化・概要化
- 実名や固有名詞を「Xさん」「A社」などに置き換える
- 法人用安全環境の利用
- Microsoft Copilot for M365やChatGPT Enterpriseなど、入力内容を学習しないサービスを選択
- 社内AI利用ルール策定
- ルールなしで使わせない
- 定期的に教育・研修
🔚 まとめ
- 入力直後にやること → 内容確認 → パスワード変更 → 関係者報告 → 履歴削除
- 必要に応じて、OpenAIに削除申請や法的対応を行う
- 再発防止には、匿名化・法人プラン利用・ルール策定が必須
- ChatGPTは便利だが、入力内容は慎重に選ぶ必要がある
個人情報や機密情報は絶対に入力しない
匿名化や概要化を徹底し、可能であれば法人向け安全プランを利用する
「便利さ」と「安全性」はセットで考えることが大切です。
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