2026年7月18日、MicrosoftはWindows 11向けの定例外更新プログラム「KB5121767」を公開しました。
この更新プログラムは、2026年6月以降、一部のDell製パソコンで確認されていた次の問題を修正するために公開されたものです。
- パソコンの性能低下
- 消費電力の増加
- 本体の発熱増加
- バッテリー消費の増加
- 予期しないシャットダウン
- システム動作の変化や不安定化
- デバイスマネージャーの黄色い警告マーク
原因は、一部のDell製パソコンに搭載されている「Intel Innovation Platform Framework」のドライバーと、Windowsに新しく導入されたUSB Type-C管理機能との互換性問題です。
Microsoftは問題のある端末に対して、2026年7月のセキュリティ更新プログラム「KB5101650」の配信を一時的に停止していました。
KB5121767を適用することで互換性問題が解消され、影響を受けていたDell製パソコンでも、7月のセキュリティ修正を含む累積更新を導入できるようになりました。
この記事の結論
- KB5121767はWindows 11 24H2・25H2向けの定例外更新
- 一部のDell製PCで発生したIntel IPF関連の不具合を修正する
- 性能、消費電力、発熱、バッテリー、シャットダウン問題などが対象
- 影響を受ける端末にのみ推奨されている
- 問題のないパソコンでは特別な対応は不要
- 現在はさらに新しい累積更新を適用してもよい
- KB5121767とは
- KB5121767の主な修正内容
- 原因となったIntel Innovation Platform Frameworkとは
- 原因はWindows USB-C Connection Managerとの互換性
- KB5095093・KB5101650・KB5121767の関係
- すべてのWindows 11パソコンに必要なのか
- 自分のパソコンが対象か確認する方法
- KB5121767のインストール方法
- KB5121767が表示されない理由
- KB5121767にはSSUも含まれる
- 更新後に確認すること
- 症状が改善しない場合の対処法
- KB5101650をアンインストールする必要はあるのか
- 会社でDell製PCを管理している場合
- KB5121767確認チェックリスト
- まとめ
- よくある質問
- 参考資料
KB5121767とは
KB5121767は、2026年7月18日に公開されたWindows 11の定例外更新プログラムです。
通常の月例セキュリティ更新とは異なるタイミングで公開されたため、「Out-of-band update」または「OOB更新」と呼ばれます。
緊急性のある不具合や、通常の月例更新を待たずに修正する必要がある場合に、このような定例外更新が公開されます。
対象となるWindows 11
- Windows 11 バージョン25H2
- Windows 11 バージョン24H2
適用後のOSビルド
| Windows 11のバージョン | KB5121767適用後のOSビルド |
|---|---|
| Windows 11 25H2 | 26200.8894 |
| Windows 11 24H2 | 26100.8894 |
KB5121767は累積更新プログラムです。
今回のDell製PC向け修正だけでなく、それ以前に公開されたセキュリティ更新や品質改善も含まれています。
そのため、KB5095093やKB5101650を先に個別でインストールする必要はありません。
KB5121767の主な修正内容
KB5121767の中心となる修正は、Intel Innovation Platform Frameworkドライバーを搭載した一部端末におけるシステム性能の問題です。
Microsoftは、最近のWindows更新をインストールしたあと、一部端末で次の項目に変化が発生する可能性があったと説明しています。
- パフォーマンス
- 電力消費
- システムの動作
Windowsの既知の問題ページでは、影響を受ける端末で、予期しないシャットダウン、性能低下、発熱増加、バッテリー消費などが発生する可能性も案内されていました。
性能低下を修正
Windows Update後に、アプリの起動や切り替えが遅くなる、同じ処理でも以前より時間がかかるなどの症状が発生する場合がありました。
Intel IPFが正常に動作しないことで、CPUの性能制御が適切に行われず、必要な性能を発揮できない可能性があります。
消費電力とバッテリー問題を修正
Intel IPFは、ノートパソコンの性能と消費電力のバランスを制御する仕組みです。
ドライバーに問題が起きると、軽い作業中でも電力消費が増えたり、バッテリーの減りが早くなったりする可能性があります。
発熱増加を修正
電力管理やCPU性能の制御が正常に行われないことで、更新前よりパソコン本体が熱くなる場合がありました。
ファンが長時間回り続けたり、排気口付近や底面が熱くなったりする症状として現れることがあります。
突然のシャットダウンを修正
影響を受ける一部端末では、使用中に予期せずシャットダウンする可能性がありました。
ただし、突然の電源断は、バッテリー、ACアダプター、メモリー、SSD、冷却機構などが原因でも発生します。
KB5121767を適用しても改善しない場合は、Windows Update以外の原因も確認する必要があります。
デバイスマネージャーの警告を修正
影響を受けるDell製パソコンでは、デバイスマネージャーの「Intel Innovation Platform Framework Processor Participant」に黄色い警告マークが表示される場合がありました。
KB5121767の適用後は、パソコンを再起動し、警告が消えているか確認します。
原因となったIntel Innovation Platform Frameworkとは
Intel Innovation Platform Frameworkは、主にIntel製CPUを搭載するノートパソコンで、性能、温度、電力消費などを管理する仕組みです。
略して「Intel IPF」と呼ばれます。
Intel IPFの主な役割
- CPUの性能調整
- 消費電力の制御
- 発熱の管理
- 冷却ファンとの連携
- バッテリー駆動時間の調整
- 使用状況に応じた電源管理
例えば、高い性能が必要な作業ではCPU性能を上げ、軽い作業では消費電力や発熱を抑えるよう調整します。
このドライバーが正常に動作しないと、性能が必要以上に制限されたり、反対に電力消費や発熱が増えたりする可能性があります。
原因はWindows USB-C Connection Managerとの互換性
今回の問題は、Intel IPFドライバーと、新しいWindows USB-C Connection Managerインターフェースの互換性によって発生しました。
Windows USB-C Connection Managerは、USB Type-C端子を使った次のような機能を管理します。
- USB Type-C機器との接続
- USB Type-Cによる充電
- 外部ディスプレイへの映像出力
- ドッキングステーションとの接続
- 電力供給や接続状態の管理
2026年6月23日のプレビュー更新「KB5095093」で、新しいUSB-C Connection Managerインターフェースが導入されました。
一部のDell製パソコンに搭載されていたIntel IPFドライバーが、この変更と正常に連携できなかったことが不具合の原因です。
KB5095093・KB5101650・KB5121767の関係
今回の不具合に関係する更新プログラムは3つあります。
| 公開日 | 更新プログラム | 内容 |
|---|---|---|
| 2026年6月23日 | KB5095093 | 互換性問題の原因となった変更を含むプレビュー更新 |
| 2026年7月14日 | KB5101650 | 7月の月例セキュリティ累積更新 |
| 2026年7月18日 | KB5121767 | Intel IPFの互換性問題を修正した定例外更新 |
KB5095093
KB5095093は、2026年6月23日に公開されたプレビュー更新です。
この更新で新しいWindows USB-C Connection Managerインターフェースが導入され、一部のIntel IPFドライバーとの互換性問題が発生しました。
KB5101650
KB5101650は、2026年7月14日に公開された月例セキュリティ更新です。
KB5095093の内容も累積的に含まれていましたが、Microsoftは不具合の影響を受ける一部のDell製パソコンに対して、KB5101650を一時的に配信しない措置を取りました。
KB5121767
KB5121767では、Intel IPFとWindows USB-C Connection Managerの互換性問題が修正されています。
これにより、KB5101650の配信を止められていたDell製パソコンでも、7月のセキュリティ修正を含む更新を適用できるようになりました。
すべてのWindows 11パソコンに必要なのか
KB5121767は、すべてのWindows 11パソコンに必須の更新ではありません。
Microsoftは、今回の問題の影響を受ける端末にのみ推奨しており、影響のない端末では対応不要と案内しています。
KB5121767が推奨される端末
- 対象となる一部のDell製パソコン
- Intel IPFドライバーに警告が表示されている
- 更新後に性能低下や発熱が発生した
- 更新後にバッテリー消費が増えた
- 予期しないシャットダウンが発生した
- KB5101650の配信が止められていた
問題のないパソコンで、KB5121767がWindows Updateに表示されない場合は、無理にMicrosoft Updateカタログから導入する必要はありません。
その後に公開される新しい累積更新プログラムにも、KB5121767の修正内容は含まれます。
自分のパソコンが対象か確認する方法
1.Windows 11のバージョンを確認する
- キーボードの「Windowsキー+R」を押す
- 「winver」と入力する
- 「OK」をクリックする
- WindowsのバージョンとOSビルドを確認する
対象となるのは、Windows 11 24H2または25H2です。
2.更新履歴を確認する
- 「設定」を開く
- 「Windows Update」を選ぶ
- 「更新の履歴」を開く
- KB5095093、KB5101650、KB5121767を確認する
KB5121767またはそれ以降の累積更新がインストールされていれば、修正内容は適用されています。
3.デバイスマネージャーを確認する
- スタートボタンを右クリックする
- 「デバイスマネージャー」を選ぶ
- 「システムデバイス」を展開する
- Intel Innovation Platform Framework関連の項目を探す
- 黄色い警告マークがないか確認する
機種やドライバーによって、表示名は異なる場合があります。
「Intel Innovation Platform Framework Processor Participant」などの項目に警告がある場合は、Windows UpdateとDellのドライバー更新を確認してください。
KB5121767のインストール方法
Windows Updateからインストールする
- 「設定」を開く
- 「Windows Update」を選ぶ
- 「更新プログラムのチェック」をクリックする
- KB5121767が表示されたらダウンロードする
- インストール後にパソコンを再起動する
Microsoftの案内では、KB5121767はオプション更新として提供される場合があります。
表示されない場合は、「詳細オプション」から「オプションの更新プログラム」も確認してください。
最新更新を早く受け取る設定が有効な場合
Windows Updateの「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」が有効な端末では、自動的に配信される場合があります。
設定が無効な場合は、Windows Updateに表示された「ダウンロードとインストール」を手動で選択します。
Microsoft Updateカタログから導入する
企業の管理者などが手動導入する場合は、Microsoft UpdateカタログからKB5121767を取得できます。
ただし、Microsoft公式では、カタログ版の導入時に複数のMSUファイルや前提パッケージが必要になる場合があると案内しています。
一般利用者は、可能な限りWindows Updateから導入する方が安全です。
KB5121767が表示されない理由
KB5121767がWindows Updateに表示されない場合は、次の可能性があります。
- 端末が今回の問題の影響を受けていない
- Dell製パソコンではない
- 対象のIntel IPFドライバーを使用していない
- すでにKB5121767が適用されている
- さらに新しい累積更新が適用されている
- Windows 11のバージョンが対象外
- 会社の管理者が更新を制御している
- 更新の一時停止が有効になっている
- 再起動待ちの更新が残っている
影響を受けていないパソコンには特別な対応は不要です。
更新カタログから無理にKB5121767を探して、すべてのパソコンへ導入する必要はありません。
KB5121767にはSSUも含まれる
KB5121767には、サービススタック更新「KB5120102」も含まれています。
サービススタック更新は、Windows Update自体のインストール処理を改善するための更新です。
Windowsが更新プログラムを正常に受け取り、インストールするための基盤部分を更新します。
現在のWindows更新では、累積更新プログラムとサービススタック更新がまとめて提供されるため、通常は利用者が別々にインストールする必要はありません。
更新後に確認すること
KB5121767を適用したあとは、再起動して次の項目を確認します。
- デバイスマネージャーの警告が消えたか
- パソコンの動作速度が改善したか
- ファンの回転が落ち着いたか
- 本体の発熱が改善したか
- バッテリー消費が改善したか
- 突然シャットダウンしなくなったか
- USB Type-C機器が正常に使えるか
- ドッキングステーションが正常に動作するか
更新直後は、Windowsの更新処理、検索インデックス、Microsoft Defenderのスキャンなどによって、一時的にパソコンの負荷が高くなる場合があります。
数時間から1日程度経過しても発熱や性能低下が続く場合は、DellのドライバーやBIOSも確認してください。
症状が改善しない場合の対処法
Dellのドライバーを更新する
Dellのサポートサイトでサービスタグを入力し、対象機種の最新ドライバーを確認します。
確認したい主なドライバー
- Intel Innovation Platform Framework
- Intelチップセットドライバー
- Intel Management Engine
- USB Type-C・Thunderbolt関連
- グラフィックスドライバー
- 電源管理関連ドライバー
BIOSを更新する
対象機種向けに新しいBIOSが公開されている場合は、適用を検討します。
BIOS更新中に電源が切れると起動できなくなる可能性があるため、ノートパソコンではACアダプターを接続してください。
ハードウェア診断を実行する
突然の電源断や異常発熱には、Windows Update以外の原因も考えられます。
Dell製パソコンでは、起動時にF12キーを押し、診断メニューからハードウェア診断を実行できる機種があります。
次の部品に異常がないか確認します。
- バッテリー
- ACアダプター
- 冷却ファン
- メモリー
- SSD
- 温度センサー
タスクマネージャーを確認する
「Ctrl+Shift+Esc」でタスクマネージャーを開き、CPU、メモリー、ディスク使用率を確認します。
特定のアプリやWindowsサービスが高い負荷を出している場合は、今回とは別の原因かもしれません。
KB5101650をアンインストールする必要はあるのか
現在はKB5121767によって問題が修正されているため、基本的にはKB5101650をアンインストールする必要はありません。
KB5101650には、2026年7月の重要なセキュリティ修正が含まれています。
更新を削除すると、修正済みの脆弱性が再び残る可能性があります。
現在のおすすめ対応
KB5101650を削除するのではなく、KB5121767またはそれ以降の最新累積更新を適用してください。
ただし、会社がIntune、Windows Update for Business、WSUSなどで更新を管理している場合は、利用者が独断で更新や削除を行わず、管理者の指示に従ってください。
会社でDell製PCを管理している場合
複数のDell製パソコンを管理している会社では、利用者の申告だけでなく、対象端末と更新状況を一覧で確認することが重要です。
管理者が確認したい項目
- Dell製パソコンの機種名とサービスタグ
- Windows 11のバージョン
- OSビルド
- KB5095093の適用状況
- KB5101650の適用状況
- KB5121767または後継更新の適用状況
- Intel IPFドライバーのバージョン
- デバイスマネージャーの警告
- 突然のシャットダウンの申告
- 性能低下・発熱・バッテリー消費の申告
まず少数の端末へ適用する
企業では、最初に少数のテスト端末へ更新を適用し、問題がないことを確認してから対象を広げる方法が安全です。
ただし、すでに今回の不具合が発生している端末では、長期間更新を待たせるよりも、KB5121767またはそれ以降の修正版を優先的に適用します。
更新状況を確認する
Microsoft Intuneや資産管理ソフトを利用している場合は、OSビルドや更新プログラムの適用状況を一覧で確認します。
更新を配信するだけでなく、インストール失敗や再起動待ちの端末がないか確認しましょう。
KB5121767確認チェックリスト
| 確認項目 | 確認内容 | チェック |
|---|---|---|
| メーカー | 一部のDell製パソコンを使用している | □ |
| Windows | Windows 11 24H2または25H2である | □ |
| 更新 | KB5095093以降に症状が発生した | □ |
| 性能 | パソコンの動作が以前より遅くなった | □ |
| 発熱 | 本体や排気口付近が以前より熱い | □ |
| バッテリー | バッテリーの消費が増えた | □ |
| 電源 | 予期しないシャットダウンが発生した | □ |
| ドライバー | Intel IPF関連に警告が表示されている | □ |
| 修正版 | KB5121767またはそれ以降を適用した | □ |
| 改善 | 再起動後に症状が改善した | □ |
まとめ
KB5121767は、2026年7月18日に公開されたWindows 11 24H2・25H2向けの定例外更新プログラムです。
主な目的は、Intel Innovation Platform Frameworkドライバーを搭載した一部のDell製パソコンで発生していた互換性問題の修正です。
影響を受けた端末では、次の症状が発生する可能性がありました。
- 性能低下
- 消費電力の増加
- 発熱の増加
- バッテリー消費の増加
- 突然のシャットダウン
- デバイスマネージャーの警告
原因は、KB5095093で導入された新しいWindows USB-C Connection Managerインターフェースと、Intel IPFドライバーとの互換性問題です。
Microsoftは影響を受けるDell製パソコンに対してKB5101650の配信を一時停止していましたが、KB5121767の公開によって問題は解決済みとなりました。
最終的な結論
- 症状が出ている対象Dell製PCではKB5121767以降を適用する
- 問題のないパソコンでは特別な対応は不要
- KB5121767が表示されない場合、無理に手動導入しない
- 現在はさらに新しい累積更新があれば、そちらを適用する
- 更新後も直らない場合はDellのドライバー、BIOS、ハードウェアを確認する
よくある質問
KB5121767はすべてのWindows 11パソコンに必要ですか?
いいえ。Microsoftは、今回のIntel IPF問題の影響を受ける端末にのみ推奨しています。影響のない端末では特別な対応は不要です。
すべてのDell製パソコンが対象ですか?
いいえ。特定のIntel Innovation Platform Framework Processor Participantドライバーを使用する、一部のDell製モデルが対象です。
KB5121767がWindows Updateに表示されません
影響を受けていない端末には表示されない場合があります。また、すでにKB5121767より新しい累積更新が適用されている可能性もあります。
KB5101650を削除した方がよいですか?
現在はKB5121767で問題が修正されているため、基本的にはKB5101650を削除せず、最新の修正版を適用します。
KB5121767を適用すれば7月のセキュリティ修正も入りますか?
はい。KB5121767は累積更新であり、過去のセキュリティ更新と非セキュリティ更新の改善も含んでいます。
更新後もパソコンが熱い場合はどうすればよいですか?
DellのIntel IPF、チップセット、USB Type-C関連ドライバーとBIOSを更新してください。改善しない場合は、冷却ファン、バッテリー、ACアダプターなどのハードウェア診断も行います。
更新後すぐにファンが回るのは不具合ですか?
更新直後は、Windows Updateの後処理、検索インデックス、Microsoft Defenderのスキャンによって一時的に負荷が高くなる場合があります。数時間から1日経過しても続く場合は確認が必要です。
会社のパソコンへ自分でインストールしてもよいですか?
会社がIntune、Windows Update for Business、WSUSなどで管理している場合は、情報システム担当者の方針に従ってください。
Microsoft Updateカタログから手動で入れてもよいですか?
企業管理者による展開では利用できますが、複数のMSUファイルや前提パッケージが必要になる場合があります。一般利用者はWindows Updateからの導入がおすすめです。


























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